家づくりには、人生の大切なことが丸ごと入っている。

人と人が出会い、恋をして、家族ができたとき、
きっと家をつくりたくなる。
広さとか豪華さじゃなくて
こどもの成長や季節の移りかわりを
感じられる家がいい。

家族みんなで食べる食事も
深い眠りの中で見る夢も
一つひとつが毎日を豊かにしてくれる。
ゆっくりと、じんわりと家は想い出を重ね、育んでいく。

だからこそ、そこに暮らす住まい手も「つくること」に参加する。
子どもたちのご飯を、お母さんが愛情を込めてつくるみたいに
大切な家族が暮らす家を、思いきり手間ひまかけて
つくってもいいんじゃないか。

不器用でいい。心を込めてつくった家には
味わいと愛着が生まれ、きっとかけがえのない場所になる。
つくること、くらすこと、たのしむこと。
それははじまりの一歩にすぎない。
けれど、すべては
きっとそこにある。

裸足で歩く心地よさ、さわやかな木の香り、
あたたかな陽射し、吹き抜ける風に木々が揺れる音——。
その日、その時を五感で感じられる自然素材の家は、時が経つほどに美しくなっていき、まるでジーンズのように、暮らすほどに肌に馴染み、愛着を増していきます。

19世紀頃のアメリカにおいて、合理的かつ調和のとれた穏やかな生活を求め、一般社会から離れて集団生活を送っていたシェーカー教徒たち。彼らは自給自足の暮らしを目指し、食べ物から生活用品、道具まで独自につくりだしていたそうです。
200年以上も昔に、審美眼を持ちながら手仕事を大切にした生活を送っていたシェーカーたち。その暮らしをひも解いた時、私たちは「シンプルであることの美しさ」「調和や有用性にこそ美は宿る」という精神に強く共感しました。
木造ドミノ住宅も、手仕事の温もりや、簡素で心のこめられた暮らしだけに宿る「豊かな時間」を、シンプルな木の家の中で育んでいきたいと考えています。

  • 暮らしに本当に必要なものだけを揃え、空間そのものの美しさを大切にした木の家。そこには、居心地のよい時間と場所が生まれます。
  • 簡素で実用的であることをとりわけ大切にしていたシェーカー。その精神を宿したオーバルボックスや家具、道具は、現代の私たちの生活にも新鮮な気づきを与えてくれます。

子どもの成長や生活の変化に合わせて、使い方や間取りも変更できること。シンプルだからこそ可能となった「柔軟な対応力」と「頑丈な構造」を兼ね備えていること。
そうした真に永く住み続けられる木の家が、木造ドミノ住宅です。
自分たちの好きなようにアレンジしたり、手入れを愉しんだりしながら、世界に一つだけの住まいを育ててみませんか?
住まいが完成し、暮らしはじめてからも、手入れをしながら丁寧に大切に住まう。
手をかけることで愛着が深まり、家は住まい手にますます馴染んでいきます。
  • 家族の日々の生活の場所、自分の住処をつくる――。
    それはきっと自分の生き方を考えることにもつながっていくはずです。
  • 素材のよさを生かしたシンプルな空間。年月を経て自然素材の色合いが深まる「経年美化」も愉しめます。

現在(いま)だけでなく、20年、30年後の将来を考えた時、自分たちの暮らしや周辺の町はどんな風に変わっているのでしょう。家づくりという行為は、私たちに自らを見つめ直す機会を与えてくれるだけでなく、家と町の関わりや、周辺の自然環境、地域の人とのつながりなど、コミュニティのあり方を考えるきっかけをも、もたらしてくれます。
木造ドミノ住宅は、住まいと地域をつなぎ、コミュニティを大切に育む住まいを目指しています。
  • 多くのご家族にとって、家づくりは人生で初めての一大イベント。きっとわからないことがたくさんあります。
    木造ドミノ住宅では、家づくりに関する情報はもちろんのこと、暮らし方やメンテナンス方法まで、様々な知識をセミナーやワークショップを通して皆さんと一緒に学んでいきたいと考えています。
  • 土地探しから家づくりをはじめる場合、住まいだけでなく地域の生活環境について考えることも大切なポイント。子どもたちが安心して屋外で遊べる町、お年寄りが快適に安心して過ごせる町、各家の緑がつながり美しい景観をつくる町——。「集まって住む」ことで、人と人とのコミュニケーションの場が生まれ、みんなで育んでいける町。木造ドミノ住宅では、そんな居心地のよい町づくりをご提案しています。

永く住みつづけられる木の家

住まいは、「竣工時が完成」ではありません。 住み始めてからも時間の経過とともに家族構成や暮らしぶりが変化し、時には転勤や引っ越しに伴って売却されたり、そこに暮らすご家族自体が入れ替わったりすることもあります。 同じ家にいつまでも快適に住み続けるためには、生活の場面に合わせて、様々な居場所が設けられているかどうかがポイントとなります。また、必要に応じて間取りを変えたり、少ないエネルギーで快適な室内環境をつくり出せること。時間の経過とともに味わいが深まるような素材選びも欠かせません。さらに、メンテナンス性が高く、定期的な修繕にも柔軟に対応できるシステムも求められるでしょう。

将来に予測される「変化」を受け止め、多様な間取りにも柔軟に対応できること。長期的な課題を一つひとつ解決していく中で生まれた木の家のカタチ。シンプルな構造と明快なシステムを持ち、永く快適に住むための工夫に満ちた住まい。その一つの解が「木造ドミノ住宅」なのです。

「ドミノ」がイノベーションをおこす

いつからでしょうか? 日本の家づくりが、こんなに奔放になってしまったのは……。
古来より日本の民家は、その地の気候風土や産業・文化と深く結び付き、地域独自の様式を備えていました。長い時間をかけて地域の気候風土や生活様式に馴染み、淘汰され、単純化されるうちに“作為”が消え、合理的な構造を備えた美しい日本の民家が生まれてきました。
現在、日本における家づくりの多くは、住まい手が希望する間取りを優先して計画され、それに合わせて構造も設計されています。その結果として、無理のある不安定な構造も出現し、コストアップにもつながりました。こうした反省から、スケルトン(骨格)とインフィル(中身)を分けて計画する家づくりが生まれました。
これは単純な構造、高性能な外殻、エネルギーマシーンを備えたスケルトンをプロがつくり、暮らしを愉しむためのインフィルは住まい手が中心になって計画するというもの。多様性のある高性能な住宅を手ごろな価格で手に入れることができれば、その価値は必ず高まるはず——そう考えて開発が始まりました。折しも、東京都で低コスト高性能な家づくりをテーマとしたプロポーザルコンペ(東村山市本町地区プロジェクト)が開催されました。その開発には統括を建築家の野沢正光さん、意匠設計を建築家の半田雅俊さん、構造設計を構造家の山辺豊彦さん、温熱計画の助言を建築家の西方里見さんという、その道の第一人者が集まり、施工性改善を相羽建設とその職人が請け負うこととなりました。互いに知恵を出し、試行錯誤しながら改良を重ね、とうとう「木造ドミノ住宅」が誕生しました。「ドミノ」の名前は「ドム=家」と「イノ=新しい、革新的な」が組み合わせられたもので、ル・コルビュジエの創った言葉です。 いま「木造ドミノ住宅」は、日本の住宅業界に新たな「秩序」を創出し始めています。

2007年
グッドデザイン賞
地域住宅計画賞(すまいづくり部門)
第6回ecobuild賞エコビルド大賞

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